葬儀を行うまでにご遺体をよりよい状態にしておくために使われるのが遺体保存冷蔵庫です。遺体保存冷蔵庫は季節や環境、ご遺体の状態などの影響を抑えることができます。

しかし、遺体保存冷蔵庫の仕組みや種類はさまざまあり、どの冷蔵庫を導入すればいいのか悩む方もいるでしょう。
本記事では、遺体保存冷蔵庫の技術や種類、保存方法のメリット、デメリットを解説します。機器導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

◼️この記事に書かれていること

  • 遺体保存冷蔵庫の種類
  • 遺体保存冷蔵庫の保存方法とメリット、デメリット

遺体保存冷蔵庫とは、安定した温度・環境を保つことができ、亡くなった方のご遺体を適切な状態で一時的に保存するための冷蔵設備です。

通常は病院や葬儀場に設置されており、火葬や埋葬の手続きが済むまでの間、ご遺体が腐敗しないように管理するために使用されます

もし、ご遺体をそのまま放置してしまうと細菌の繁殖により腐敗が進んでしまいます。温度設定や湿度管理が細かく調整ができて、安定した保存環境を作るのに使用されるのが遺体保存冷蔵庫です。

このような設備が整っていることで、ご遺族が安心してお別れの準備ができるだけでなく、大切な方の体を長期保管することができます。

遺体保存冷蔵庫には「個別タイプ」と「部屋タイプ」の2種類があります。

どちらを選択するかは、ニーズに合わせて決めていく必要があります。ここからは、2種類の遺体保存冷蔵庫の特徴について解説をします。

2つのタイプの特徴を紹介していますので、機器導入の参考にしてください。

遺体保存冷蔵庫の種類のひとつに、個別に保管が可能な「個別タイプ」があり、以下の特徴があります。

  • 設置がしやすい
  • 個別で安定した保管をしたい
  • 温度調整がしやすい

個別タイプは、1体ずつ独立したスペースにご遺体を保管できる遺体保存冷蔵庫になっているのが特徴です。各収納スペースに扉がついており、ご遺体を外部の環境から隔離して、最適な温度で保管することができます。

このような個別タイプの冷蔵庫は、他のご遺体と共用しないため、ご遺族にとっても安心できる環境が整えられています。

また、扉の開閉が容易な設計が施されているため、取り出しや移動がスムーズに行え、葬儀や火葬の準備に対応しやすいことも特徴です。

部屋全体を冷やす部屋タイプの遺体保存冷蔵庫があり、以下の特徴があります。

  • 一括管理がしやすい
  • コスト効率がよい
  • 対面がしやすい

部屋タイプは広い空間を冷却するため、ご遺体を複数同時に保管ができます。個別タイプと比較して清掃や設備メンテナンスが容易のため、管理者の負担が軽減されるのがメリットです。

また、このタイプには面会ができるタイプもあります。面会スペースやガラス越しに故人と対面できる設計となっており、自由に面会が可能で、他のご遺族とは区別された空間でご遺族が故人と最後の時間をゆっくり過ごせるのが特徴です。

遺体保存冷蔵庫の保存方法は以下3つ挙げられます。

  • ドライアイス保存
  • エンバーミング保存
  • ペルソナ保存

ご遺体を冷やして保管したり、生前に近い処置をしてくれる方法や長期保存が可能など方法はさまざまです。

ここからはメリット・デメリットと合わせて解説をしますので、機器選定の参考にして下さい。

遺体保存冷蔵庫の保存の方法として、ドライアイスを使用する方法があります。

ドライアイス保存は、ドライアイスの低温(約-78.5℃)により遺体の腐敗を遅らせる効果がありますこの方法は、専用の冷蔵庫がない場合や、火葬までに期間が短い場合に選ばれることが多いです。

メリットデメリット
・手軽に使用できる
・冷蔵庫の設備が不要
・持ち運びが容易
・長期保管ができない
・ドライアイスの補充が必要
・凍傷のリスクがある

ドライアイス保存は短期間の保存に適した方法であり、使用環境や目的に合わせて利用するのが良いでしょう。

遺体保存冷蔵庫の保存方法のひとつにエンバーミング保存があります。

エンバーミングとは、防腐処置を施して遺体を長期間生前に近い状態に保つ技術で、専用の薬品を体内に注入し、血液を置き換えるなどの処置が行われますこれにより、遺体の腐敗や細菌の繁殖が抑えられ、外見も腐敗しにくいのが特徴です。

メリットデメリット
・腐敗が進みにくく、長期保存が可能
・見た目が良くなる
・専門技術と設備が必要
・費用が高い
・処置に時間がかかる

エンバーミング保存は、長期間にわたり遺体を美しく保つことができる方法であり、ご遺族にとっても故人と穏やかに向き合うための方法でしょう。

ペルソナ保存は、遺体保存冷蔵庫内を氷点下に保ち、電場技術によりご遺体をパーシャル状態にします。これにより、腐敗の進行を大幅に遅らせることができ、1ヶ月という長期間の保存が可能です。

さらに、ドライアイスを全く使用しないので二酸化炭素(CO2)、火葬炉腐食防止、有害なダイオキシンの発生を防げるため、環境にやさしい保存方法です。

メリットデメリット
・長期保存が可能
・ドライアイス・防腐処理が不要
・感染予防ができる
・導入実績が少ない

ペルソナ保存は、高度な冷却技術を用いた保存方法であり、特に長期的に遺体を保存する必要がある場合に適しています。

近年、火葬待ちが課題となっているなかで、ご遺体を腐敗や劣化の進行を抑制するためにもより長期で保管が可能な遺体保存冷蔵庫の導入が求められています。

このような課題はIMPペルソナの導入により、大幅に軽減できるでしょう。さらに、看とりなど、小さな規模で、葬儀をおこなえる設備を導入した企業には、政府、中小企業庁から補助金がおります。

ただ、葬儀をするだけでなく、ご遺族にとって最適な環境を整え、故人とのお別れの時間を大切にしたいと考える企業様はぜひ、IMP business developmentへご相談ください。